発売日に購入したThinkPad X1 ExtremeはFHD(1920×1080)液晶。
4K UHD(3840×2160) HDR液晶に惹かれながらも当時はまだカスタマイズできなかったのですが、今回実機を借りることができた。
普段使っているFHD液晶と借りた4K液晶のX1 Extremeの違いを比べてみる。
※実機は第1世代 X1 Extreme 2018です
→ ThinkPad X1 Extreme 2018の仕様・スペック詳細
まずは4K HDR液晶のX1 Extremeをスイッチオン。
いつも見慣れているレノボの赤いロゴが表示された。
えっ、なんだこの赤は!!
今まで見たことのない色鮮やかな発色で、電源投入3秒後にHDR液晶のすごさに驚いたのでした。
HDRとは?4K vs FHD
デスクトップを表示させた4K HDRとFHDを並べてみる。
同じ壁紙なのに別物に見える。
4K液晶は色鮮やかで息をのむほどきれい。
写真ではわかりずらいのが残念・・・
暗い部分に目を移すとFHD液晶では黒つぶれして真っ黒い部分でも4K液晶だと赤い反射が表現されている。
中央左部分のサンセット部分に目を移すとFHD液晶が緑っぽく表示されているのに対して4K液晶は薄紅色の夕暮れらしい色合い。
比べて初めて今まで使っていたFHD液晶の色合いがいまいちだったことに気づく。
4K HDR液晶はただ、色鮮やかに表示されるだけでなく、人間の見た目に近い明暗と色合いで表示できるのがすばらしい。
デスクトップを表示しただけなのに気づくことが多すぎる。
電源オンして10分ぐらい何もせず4K液晶に見とれてしまった(笑)
ちなみにHDRはハイダイナミックレンジの略。
通常液晶に比べて、広い明るさの幅を表示できる。
標準液晶で暗い部分の黒つぶれを防ぐために明るくすると、明るい部分が白飛びするけど、HDRは白飛びせず暗い部分もしっかり表示される。
情報としてHDRのことは知ってましたが、実物を比べてみると、まぁびっくり。
まさに百聞は一見に如かず。壁紙を表示しただけで体感したのでした。
解像度が違うことで・・・
UHDは解像度が3840×2160
FHDは1920×1080
4Kというだけあって、FHDの4倍の表示範囲がある。
ただ、4K UHDが250% FHDが125%拡大表示されているので
解像度が違ってもデフォルトでは見た目は変わらない。
ヤフーのトップページを開いても表示範囲は全く同じ。
拡大率が大きい4K UHD液晶のほうがトップニュースのフォントが太くなっている程度
デフォルトの拡大率のまま、webサーフィンやオフィスソフトの編集に使用するならばあまり違いは感じない。
では、拡大率100% ドットバイドットにしてみます。
4Kの圧倒的な表示範囲の広さがすごいですね。
FHDだとヤフーのトップページが横に2枚
UHD 4K だと4枚分無理すれば表示できます。
4K 100%表示のスタートメニューは鬼のように小さい。
拡大率を下げれば文字が豆粒のように小さくなり、つぶれて識別できないかと思いきや、そうでもない。
ふつうに読めるし、テキストが精細なのは予想外だった。
ちなみに拡大率はWindowsの設定から調節が可能です。
個人的に等倍表示は非実用的で通常はデフォルトで使っていますが、画面拡大率を下げて作業範囲を広くとって仕事している方も多数見かけます。
開発など、クリエイティブな作業をするなら、4K液晶はいいかも。
FHDは白が白じゃなかった!?
ここまで、FHDと4K液晶の写真を見たならお気づきかと思いますが・・・
ヤフートップページの背景、白い部分がFHDは緑っぽく見える。
今まで真っ白だと思っていた部分が実は白じゃなかったことに、衝撃を受けました(笑)
ま、カメラが4K液晶に自動でホワイトバランスを合わせていることもあり、緑部分が誇張されているのは事実ですが、現物のFHD液晶をよくみると、確かに若干緑っぽい。
色の表現ではHDR 4K液晶の描画が圧倒的でIPS FHD液晶を寄せ付けないな。となんとなく感じてはいましたが、このあと動画を再生することで確信に変わった。
4K動画を再生。精細さよりも・・・
せっかくなので4K液晶とFHD液晶を並べて4K動画を再生し、どれほど変わるのか比べてみる。
まずは手持ちのデジカメで撮った4K花火の映像を再生すると
あまりの違いに「えっ」と言葉が出てしまった。
4Kは赤の発色がきれいなのに対して、FHDの花火は色が褪せている。
目で見た原色に近いのはもちろん4K液晶です。
今度は適当にYouTubeで4K動画を物色して再生してみる。
フラミンゴのピンクが・・・
サバンナの空と枯れた草の色が違いすぎる。
いやー、、、こんなに違うのか・・・唖然。。
4K映像の精細さももちろん、UHD液晶のほうが上ですが、
それよりもHDRによる色域の違いが衝撃でした。
写真を扱ったり、動画編集や映像を再生することが多いので、今すぐ4K液晶のX1 Extremeに乗り換えたくなった。
ペンの書き心地が抜群 タッチ操作も快適
オプションにはなりますが Lenovo Pen Pro でペンによる手書きにも対応。
※UHD 4K液晶のみ FHD液晶には使えません
重量が15g、長さが15.3cm(実測値)
程よい太さで重心バランスもよく、しっくりくる持ち心地。
画面に手書きしてみると絶妙な引っ掛かりがあって書きやすい。
初代X1 Yogaの内臓ペンやX1 Tabletのペンは書くとつるつる滑ってましたが、2017年か2018年あたりからペン先が改善されてます。
紙に書くのに近い形で手書きができるようになった。
ThinkPad X1 Yoga 2016の内臓ペンがX1 Extremeで使うことができたので、過去機種のペンを持っていれば使えると思われます。
書き心地からちょっと外れますが、Photoshopで手書きやブラシの変更をひんぱんにしても動作がサクサク。
内臓グラフィックスのThinkPadでは高解像度なキャンバスだと手書きが遅延したりしてました。
dGPUでNVIDIA GeForce GTX 1050Tiが搭載されているX1 Extremeならでは。グラフィックス性能の恩恵を受けてますね。
ペン本体はUSB Type C経由での充電が可能。
以前は電池式だったのでこれは素晴らしい。
あと、最初ペンがBluetoothに対応しているのが謎だったんですけど、X1 Extreme本体とペアリングすることで上部ペンボタンにショートカットを割り当てられる。
Lenovo ペン設定から接続ボタンを押せばで簡単にペアリングが可能。
ワンプッシュとダブルプッシュにそれぞれ設定できる
シャーペンのようにボタンを押すとアプリが立ち上がる。
キーストローク、要するにショートカットキーも割り当てられたりするのでこれは便利かも。
ペンじゃなくてショートカットを割り当てられるだけのBuluetoothボタンなんてのが欲しいなとふと思った。
もちろん、画面はタッチ操作にも対応してます。
※UHD 4K液晶のみ FHD液晶はタッチ非対応
スクロールやピンチが指先で快適にできます。
15.6インチの広大な範囲をタッチ操作できるのはちょっと不思議な感覚。
直感的な操作ができるのでPCを使って1対1でのプレゼンや操作説明などでも効果を発揮しそうです。
X1 Extreme UHD液晶 最大の欠点
さて、ここまでは4K液晶の利点と感動をお伝えしてきましたが、もちろん、気になる点もある。
特筆すべき最大の欠点は本体が重い
FHD液晶が1.7kgに対して、UHD 4Kが1.83kg(実測値)
130gも4K液晶が重たい
マルチタッチ液晶で50g重くなる程度なら、許容範囲ではあるのだけど、さすがに130g違うと持った瞬間、別機種かと思うほど重量の違いを感じました。
普段FHDのX1 Extremeを持ち歩いてるだけに、重さには他の人より敏感ではあります。
消費電力が大きく、バッテリー持続時間も4K液晶が短くなる
細かな持続時間までは検証できませんでしたが、アイドル時の消費電力を液晶の明るさ3段階に変えて計測してみる。
UHD 4K液晶
0% 10~11W
50% 11~12W
100% 15.5~16.5W
FHD液晶
0% 5.5~6.5W
50% 6~7W
100% 9~10W
どの明るさでもUHD液晶のほうが5Wほど消費電力が高い
最低でも10~20%は持続時間が短くなると思われます
液晶が開きづらい。反射する
細かい話でマルチタッチ液晶あるあるだけれど、UHDは液晶部分が重い。
ヒンジが固く調整されているせいか、画面の開け閉めが固く、FHDよりやりずらかったのも多少気になりました。
UHD4Kの液晶面は反射低減加工がされているので半光沢な質感。
X1 Carbon HDRのようなキラキラな光沢液晶よりは反射が抑えられていますが、FHDのノングレア(非光沢)と比べると違いは歴然。
あらゆる場面で液晶画面に物が写り込みます。
特に後ろに照明や窓など、光を発するものがあると反射してかなり画面が見ずらくなる。
実際に液晶面の反射や画面の開きにくさは慣れるので、個人的にはさほど気にならない。
ただ、持ち運んで出先で使う私の場合、重量はやはり気になる。
逆に普段、自宅や仕事場で使うことが多いのであれば問題ないと思う。
これだけの重量差があると、いくらUHD 4K液晶がきれいでもFHDと悩むレベルでしたが、これも、持ち運びを重視している私の場合。
人それぞれ、用途・使い方によって印象が変わってくるでしょう。
この記事を書いている時点(2019年8月31日)では後継機、第2世代の ThinkPad X1 Extreme 2019 が販売開始されていますが・・・
まだThinkPad X1 Extreme 2018もレノボオンラインショップで購入できます。
型落ちとなったものの、まだ発売から1年もたっていませんし、むしろ価格がこなれてきて、私が購入したときよりかなり安くなってます。(泣 うらやましすぎる)
スペックにこだわらず、コスパを求めるなら初代X1 Extremeは購入に最適な時期かも。
→ ThinkPad X1 Extreme 2018をさらに詳しく